以前から、訪問着がひとつ欲しいと思っていた。訪問着とは、華やかな着物で結婚式や結納、入学式・卒業式、他家への訪問の際に着る着物のこと。友達の結婚式に呼ばれたときには、パーティードレスなんかよりもちゃんとした着物を着て行きたいとずっと思ってた。

着物が大好きです

私は着物が大好き。着るとおなかが苦しいけど、気持ちも姿勢もシャキっとするし、その日一日が非日常の晴れやかな日だということが味わえるところが好き。いつか着付けを習って、自分で着物を着つけて出かけられるようになりたい。そういうおばちゃんになりたい。着物を着ているご婦人ってカッコいいじゃない。

デパートの着物の展示会で訪問着をあててもらいました

今日はデパートで着物の展示会があったので母と行く。

店員さんにいくつか訪問着を当ててもらい、最初にいいなと思ったのはやわらかな黄色の古典模様の訪問着。現代風のかわいらしい模様よりも古典が好き。日本の古風さというか、 “THE 和” という感じが味わえるのは古典だと思う。その黄色の訪問着に合わせて、帯から帯紐から全てを選ぶ。全体的にとてもやわらかい、ほわっとした雰囲気に仕上がった。私がこんなにほわほわした女の子らしいかわいらしい着物を着ていいのだろうか。自分が自分じゃないみたい。

次に当てたのは、シックな落ち着きのある茜色で古典柄の訪問着。茜色というのだろうか、あの色は。金の刺繍の花がたくさん散りばめられてて、所々にしぼりもあり、地模様も綺麗な着物。黄色の着物に比べると、茜色の着物の方が年老いてからでも着ることができそうな気がする。訪問着は何枚も買うものではないのだし、ここで買ったものを一生着ていきたい。

黄色の着物もやわらかでとてもいい雰囲気の着物だ。どちらの着物にしよう… しばし悩んだが、黄色の着物はどこでもよく見かける雰囲気の訪問着であること(しかし有名な京都の京友禅の一流品でとてもいいものである)、茜色の着物は今まで行った店では見たことない雰囲気で、この着物を私の晴れ着のアイデンティティにしたいと思ってこちらを選んだ。この着物を着て行くと、あの人は昔からあの着物を大事に着ているね、って思われるようになれたらいいなと。みんなに覚えてもらいやすいと思うし、私の目印になれば面白いじゃない。それだけ歳をとってもずっと着ていきたいと思える一枚だった。