先日映画化され有名になった「ニシノユキヒコの恋と冒険」。映画の宣伝を見ておもしろそうだな~と思って、ふと立ち寄った本屋で積まれていた原作を見つけた。すると、最近お気に入りの川上弘美さん原作の小説だというので、思わず買ってしまった。

竹之内豊さんとニシノユキヒコがまさしくどんぴしゃり!映画は観たことがないものの、竹之内豊さんを想像しながら読む小説は面白かった。いずれは映画も観てみたい。

「センセイの鞄」とおなじく、川上弘美さんの小説はするすると読みやすい文章なので一気に読み切れた。

ニシノユキヒコは魅力的だし、ニシノユキヒコの周りにいる女たちもとても魅力的な人物だった。 わたしは彼女たちのように人や男を観察しながら、洞察力を働かせながら接したことがないので、彼女たちの観察力にはつくづく関心した。すごい人間もいたもんだ。

「おやすみ」のマナミとの話が一番好きかな~。映画ではマナミを尾野真千子が演じているという。これもまたどんぴしゃりな感じで、ぜひとも映画を観てみたい。

人を愛せないということはつらい事なのかな。 わたしは「好き」という気持ちはわかるけど、「愛してる」という気持ちは未だよくわかっていない。そのうちわかる時がくるのかな。 その辺りについてちょっと深く考えた小説であった。

しかし、後になにかモヤモヤとしたものが残るわけでもなく、スッキリと読み終えることができた。実にすがすがしい気分である。