人生ではじめての胃カメラを体験してきました。 ちなみに鎮静剤なし。

結論、健康優良"胃"だったものの胃カメラがめちゃくちゃつらかったです。たぶん今までの人生の中で出産の次にしんどい思いをした。

なぜ胃カメラをしたのか

実母にピロリ菌(Helicobacter pylori)の感染が見つかったため。実母から子供(私)への感染リスクがあるので一度は胃カメラとピロリ菌の検査をしておきたかった。 もしも私がピロリ菌に感染していたら私の子どもたちへの感染リスクもあるからだ。そのあたりの問題はクリアにしておきたい。

保菌者とキスをしたり同じ鍋をつついたりしても成人の場合は感染しないと言われている。 しかし、胃や免疫の機能が未発達である乳幼児は注意が必要だ。 以前、コラムに鍋感染の可能性は低いと述べましたが、大分状況が変わってきました。(中略)
「げっぷで胃のピロリ菌が口に出てくることがある。その時に子供に口移しで食物を与えると、感染する可能性はあるが、うがいでほとんどが防げる。」と国立国際医療研究センター国府台病院院長(消化器内科)・上村直実先生は言われておられる。

とよしま内視鏡クリニック

実母の実家は昔は井戸水を飲む地域で、実際に実母も井戸水を飲んで育った。そのせいかわからないけどピロリ菌に感染していた。 今回診察してくれた担当医に実母の話をしたら「井戸水関係なく、実母(50代)の年代の人はピロリ菌に感染している人が多い」と言っていた。 実母はピロリ菌の除菌済みで今は一年に一度定期的に胃カメラで検査を行っている。

鎮静剤なしで胃カメラに挑む

鎮静剤(眠たくなるお薬)を使うとその日は車で帰宅ができないとのこと。 子どもたちを夫に託して一人片道一時間離れた病院に出てきた私に選択の余地はない。 受診が終わったらすぐさま自宅に帰宅する必要がある。私を待つ者たちがいる。

「鎮静剤なしでお願いします」

ちなみに鎮静剤(成分は聞いていない)をすると 24 時間は授乳できなくなるそうで、それも授乳期の私には死活問題。ミルク嫌い児を抱えた私に 24 時間の 授乳禁止は無理。 目が合う度に「授乳して」と 0 才児に必死のアピールをされることになる。

胃カメラを受ける方は鎮静剤を希望する人が多いと言っていた。鎮静剤後 1 時間は病院で寝て帰るそう。 実際に鎮静剤を使って胃カメラをした方は「気付いたら胃カメラが終わっていた。長い時間経過したと思ったけど15分しか経ってなかった」と言っていた。 実母は鎮静剤なしで胃カメラをして「私は全然平気だった」とのこと。

鎮静剤なしでする胃カメラを少し楽にする方法として鼻から入れる細い胃カメラも選べると言われた。 でもカメラ自体も小型になるから画質が口から入れる胃カメラには劣ると言われたので、「初めての胃カメラでどれだけ耐えられるかわからないけど、ひとまず口から入れる方でチャレンジしてみます」と言いました。 きれいな画質の自分の胃を見てみたい。

喉にはキシロカインスプレー

鎮静剤なしを選択したけれど、喉の麻酔(キシロカインスプレー)は施された。 スプレー後、看護師に「飲み込んでね」と言われたけれど、それがもうめっっっっっちゃ苦かった。 私は割と我慢強い方で病院では痛いも不快もあまり口に出さず「大丈夫」って言えるけど、思わず「にっっが!!!」と看護師に言ってしまった。 飲み込むのをためらうくらいに苦いものをはじめて口にした。体が拒絶するってこういうことか!

喉の麻酔後は唾液を飲むとむせるからティッシュに全部吐き出してね、と言われたそばから唾液を飲んでむせた。 苦いものを口にしたあとだからいつもよりもたくさん唾液がダラダラと出て大変なことになった。

さあ胃カメラ

ベテランそうな中年の医師が担当してくれた。上手そうだとホッとしたのもつかの間、あれよあれよという間に胃カメラが口にズボー! カメラを飲み込む瞬間と喉にあるカメラの感覚に慣れるまでがつらかった。まず第一のツラい瞬間。 「鼻で息してね」と看護師に言われたけど、「鼻で息するのってどうやってたっけ??」とわからなくなってしばらく口呼吸してた。慣れてからは鼻呼吸に切り替えた。

胃の中でカメラがグイーグイーと動いている感覚がわかる。なんとなく胎動を思い出す…位置がやや上のほうだけれど(胃や肝臓のあたりを蹴られるとしんどかった思い出)。 ガスを注入して胃を膨らましたあとが第二のツラい瞬間。おなかがパンパンでしんどかった。ゲップしたいけどできないっていう膨満感と腸も動き出して気持ち悪い感じが地味だけれどしんどい。

出産で一番大変なのが「いきみたいのに、いきんではならない、いきみ逃し」があると思う。 “自分ではコントロールできないことを我慢しなければならない"という状況が私の中では非常にツラい。 出産の次に胃カメラがしんどいと思った理由はこれ。 ゲップしたいのにできない、オエオエとえずきたいのにできない、という自力で逆らえないことに耐えなければならない状況がしんどかった。 ヴォェ!となりそうになっても喉にはカメラがあるから冷静に我慢。 まだ冷静になれば我慢できる程度のえずきだったから助かった。

胃カメラのリアルタイム映像をずっとテレビで見せてくれていたけど、「わあキレイ」ってゆっくり見ていられる心の余裕はあまりなかった。 けれどテレビはずっと凝視してた。胃がキレイにウネウネ動いていた。傷一つなくてツルツルでキレイ。 素人目にもこの胃は健康そうだなってわかった。 担当医が一度も組織採取していなかったので怪しい部位もなかったようだ。

胃カメラ終了時、喉を引き抜くときにもまたヴォェ!となってしまった。これは我慢できないヴォェエ… そしてたぶん人生で最大量の唾液がゴボっと出た…ビックリした。

結果:健康な胃であるとのお墨付き

大丈夫そうだなってわかっていたけど、医師の所見でも大丈夫だった。

ピロリ菌は疑わしい感染所見がなかったそう。 「RAC(regular arrangement of collecting venules)がはっきりと綺麗に見えるからピロリ菌には感染してないね!RAC 以外の他の所見ももちろん見ているけどどれも正常で健康的だよ!」と担当医に明るく言われた。一安心。

今回はじめて担当してもらった医師だけどサバサバしていて明るくて、こういう医者が好きなんだよ。私のタイプの医師。次も胃カメラするときはこの方にお願いしよう。

ピロリ菌もいなかったし疑わしい潰瘍やポリープもなかったので、胃癌の心配はいらないとのこと。

2-3 年ごとに胃カメラを

ピロリ菌がいた場合・除菌した場合は一年ごとに胃カメラをして胃癌が発生していないかをチェックしたほうがいいそうだけど、 私はピロリ菌に感染していなかったので 2-3 年毎に胃カメラをしましょうという話になった。


胃カメラの最中と終わった直後は「絶対に次の胃カメラは鎮静剤を入れるぞ、絶対の絶対にだ…」と思っていたけれど、あの苦しさがもう薄れてきている…。

一人目出産のときにも「次は絶対に無痛分娩だ」と思っていたのに出産後はケロッと痛みを忘れてまた麻酔無しの普通分娩で二人目産んだしな… 苦しいことは忘れるようにできているみたい。

まあでもとにかくしんどかったことと健康だと判明したことをメモしておこう。 人生初の胃カメラはピロリ菌(-)、潰瘍・ポリープ(-)でした。